アメリカ航空宇宙局(NASA)は1月30日、国際宇宙ステーション(ISS)で5年にわたり実施していた生体栄養素製造実験「BioNutrients」が完了間近であると発表した。

NASAによると、BioNutrients実験は微生物を利用して必要なビタミンや栄養素を宇宙空間でオンデマンドで製造する技術をテストするもので、2019年にISSに打ち上げられた。手のひらサイズの「製造パック」と呼ばれるシステムを用い、5年間にわたって新鮮なビタミンや栄養素を宇宙空間で製造する性能と安定性を評価している。

カリフォルニア州シリコンバレーにあるエイムズ研究センターの科学者らは、ほぼ1年に1度、ISSの宇宙飛行士が製造パックを作動させるのと同じ日に、地上で同じセットの製造パックを処理している。これにより、宇宙環境が5年間のタイムラインで栄養素製造にどのように影響するかを比較検証している。NASAは宇宙空間で少なくとも5年間栄養素を製造できることを実証することで、有人火星ミッションを支援する能力を確保できるとしている。

1月上旬、研究者のナタリー・ボール、カガワ・ヒロミ、サンドラ・ヴューの3名が、国際宇宙ステーションを訪れた日本の宇宙飛行士・古川聡史が軌道上実験室で行った実験の数時間後に、地上で計画した一連のBioNutrients製造パックの最後の処理を行った。宇宙空間での製造サンプルは2月に予定されているアクシオムミッション3で地球に返還される計画だ。

BioNutrientsはNASAエイムズ研究センターによって開発された。NASAの宇宙技術ミッション本部とそのゲームチェンジング開発プログラムが、同機関のより広範な合成生物学ポートフォリオの一環として本プロジェクトを管理している。

Source: https://www.nasa.gov/general/bionutrients-a-five-year-experiment-in-space-nears-completion/