ヨーロッパ宇宙機関(ESA)は2月1日、再使用可能な無人宇宙実験室「スペースライダー」のユーザーガイドを更新し、一般公開した。ESAによると、スペースライダーは2台のミニバンほどの大きさで、最大2か月間軌道に留まることができる。宇宙実験装置を搭載し、軌道飛行の後に大気圏再突入して実験装置ごと地上に回収することができる。

更新されたユーザーガイドには、宇宙機の概要、提供サービス、ミッションシナリオなどが詳述されている。宇宙実験の将来的な利用者はこのガイドを参考にミッション計画を立てることができる。通信プロトコル、1日当たりのデータダウンロード容量、加速度、輸送・発射時の湿度管理、宇宙放射線量などの技術仕様も記載されている。

スペースライダーはペイロード中心の設計で、1立方メートル以上、最大600kgの実験装置を搭載できる。実験装置は密閉型、露出型のいずれも可能で、地球の眺望を得ることもできる。発射直前まで実験装置へのアクセスが可能なため、科学者やエンジニアの機動性が高まる。

ESAは今年、スペースライダーの実証試験を開始する。宇宙からの帰還時には高度5kmでパラフォイルを開傘し、フランス領ギアナの欧州宇宙基地に自動着陸する。スペインでの小規模なパラフォイル試験を経て、70平方メートルの本番パラフォイルでの大規模試験が行われる。ESAはパラグライダーパイロットの操作にならい、アルゴリズムの調整を行うという。

Source: https://www.esa.int/Enabling_Support/Space_Transportation/Space_Rider/Space_Rider_spacecraft_user_guide_update