アメリカのNASAの発表によると、2月2日にハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像が公開された。画像には、ESO 185-IG013と呼ばれる明るい青いコンパクト銀河が写っている。コンパクト銀河は、星形成が活発な近隣の銀河だ。可視光では異常に青く見えるのが特徴で、赤外線をより多く放出する他の星形成活発な銀河とは異なる。天文学者は、コンパクト銀河が数十億年前の初期宇宙の銀河の代替物を提供すると考えているため、銀河の形成と進化についての手がかりを得ることができる。

ハッブルは、ESO 185-IG013の過去についての詳細を明らかにするため、紫外線、可視光、赤外線の波長で撮影した。銀河には1億年未満の若い星団が数百個存在する。350万年という宇宙の時間スケールからすれば赤ん坊に等しい星団も多数ある。ガスを強く放出しすぎたために消滅する運命にあると考えられる星団もある。若い星団が多数存在することは、この銀河が最近、他の銀河と衝突・合体した証拠だ。銀河の乱れた構造も、ガスと塵の激しい相互作用によるものと考えられる。この合体により、今もなお星形成が続く銀河に燃料が供給された。

ESO 185-IG013には潮汐尾も見られ、これは銀河の合体を示す一般的な兆候だ。小さな銀河が大きな銀河に破壊され、物質の大部分を失うと考えられている。その物質は大きな銀河の重力によって再び引き戻され、シェルと呼ばれる高密度領域に集まる。ESO 185-IG013のシェルには多くの星団が含まれている。また、北東にガスの尾も伸びている。

この銀河系の星の合計質量は、太陽の70億倍を超える。銀河までは約2億6000万光年の距離にある。

Source: https://science.nasa.gov/missions/hubble/hubble-sees-a-merged-galaxy/