アメリカのNASAの発表によると、2017年10月に重力波の直接検出でノーベル物理学賞が授与された2年前、重力波分野で大きな進展があった。光と重力波が同じ源から観測されたのはこれが初めてだ。

2つの中性子星がNGC 4993銀河内を公転していた。中性子星は、超新星爆発で長い間前に消滅した大質量星の残骸核だ。この銀河には多くの連星中性子星があるが、このペアには8月17日に特別なことが起こった。

公転するたびに、これらの中性子星は重力波を放出し、わずかな重力エネルギーを失っていた。重力波は、光速で伝わる時空間のゆがみだ。速度や方向を変化させる質量によって放出される。中性子星は非常に近く、高速で公転するため、重力波は非常に弱い。

エネルギー損失により、中性子星は徐々に近づき、より速く公転するようになった。10億年以上かけて微少な変化が積み重なり、ついに2つの中性子星は衝突した。我々は地球からこれを2017年8月17日に目撃した。

衝突寸前に、重力波はLIGOとVirgoで検出できるほど強力になった。衝突後は、公転天体がなくなったため、重力波はすぐに弱まった。LIGOとVirgoは地球上の施設で重力波を待ち受けている。稼働時にはほぼ宇宙のどこからでも検出できる。

もう1つの出来事はガンマ線バーストだ。非常に近づくと、中性子星は崩壊し、短いが壮大な爆発を起こす。Fermi衛星がこの爆発からのガンマ線を数秒間観測した。Fermiはこうしたガンマ線バーストをできるだけ早く捉えるため、観測を続けている。

ガンマ線は重力波の1.7秒後に到達した。この銀河は地球から1億3000万光年離れているため、光と重力波は13億年をかけて到達した。

衛星データとLIGO/Virgoの情報を組み合わせることで、短時間ガンマ線バーストの原因が中性子星の衝突であることを直接確認できた。

この出来事は天文学の新時代の幕開けとなった。光による観測に加え、重力波による新しい窓が開かれた。これにより、中性子星とブラックホールについて、これまで知ることができなかったことが明らかになるだろう。

Source: https://science.nasa.gov/universe/when-dead-stars-collide/