アメリカ航空宇宙局(NASA)は2月5日、ダークエネルギーが宇宙の加速度的な膨張を引き起こしているとする声明を発表した。

NASAによると、ビッグバンから138億年前に始まった宇宙の急速な膨張は、重力によって減速していったが、誕生から90億年後に膨張速度が再び上昇し始めた。この膨張を加速させている原因不明の力がダークエネルギーと呼ばれている。

ダークエネルギーは1990年代後半に発見されたが、その起源は1912年にアメリカの天文学者ヘンリエッタ・スワン・リービットがケフェイド変光星の周期と光度の関係を発見したことに遡る。これにより銀河間距離の測定が可能になった。

1920年代には、エドウィン・ハッブルが銀河の赤方偏移を観測し、銀河が地球から遠ざかる速度は距離に比例することを発見した。これは宇宙が膨張している証拠となった。

1990年代、遠方の超新星の観測から、宇宙膨張が加速していることが判明した。この膨張を引き起こしている原因不明のエネルギーがダークエネルギーと命名された。ダークエネルギーの正体は未だ不明だが、宇宙の68.3~70%を占めていると考えられている。

NASAは2023年にヨーロッパ宇宙機関と共同でEuclidを、2027年5月までにNancy Grace Roman宇宙望遠鏡を打ち上げるなど、ダークエネルギーの解明に向けた観測を続けている。

Source: https://science.nasa.gov/universe/the-universe-is-expanding-faster-these-days-and-dark-energy-is-responsible-so-what-is-dark-energy/